どうも、Marco-porkです。
今回はこれ、Gifted(発達障害)と遅延型フードアレルギーについて。
全く違うモノなんですけど、混同されている気がするんですよね。名前を挙げると安易な批判になりかねないので控えますが、いくつか出所も知っています。彼らが口を揃えていうのは『アレルゲン物質を取らないようにすれば、発達障害は改善する』というものです。改善するという表現を超えて『治る』という表現をしている人も散見します。
これをちょっと考えていきたいと思います。
個人的結論
『アレルゲン物質を取らないようにすれば、発達障害は改善する』というのは、なんというか、ちょっと言い過ぎではないか、と思います。こんな言い方をしたら、発達障害の原因はアレルゲン物質だと勘違いする人すら出るのではないかと危惧しています。
正しく言えば『アレルギーによって起きていた、過剰な興奮状態や精神的な不全を抑えれば、おのずと脳や体の調子がよくなるよ、発達障害の改善には一定の意味があるよ』ぐらいだと思います。
いや、それ健常者も同じですよね、ってことです。
ちなみに、彼らの主張に対する科学的根拠を一応探ましたが出てきません。
発達障害の人がアレルギーを持っている確率が多いことは多少なりでてきますが…ダレカオシエテクダサイ。
発達障害とアレルギー症状の違い
そもそも発達障害とは、先天的な脳機能障害であり、苦手なことが努力の範囲を超えて極端に苦手だったり、全く逆で得意な能力が分かりやすい、というような脳機能としての凸凹が大きい、というのが本質的なとらえ方です。
対して、アレルギーとはご存じの通り、体内の抗体が、本来は無害なんだけど似たような構造を持っている物質に過剰反応する症状です。
この二つは全く別のものです。当たり前ですが。
これがなぜ『アレルゲン物質を取らないようにすれば、発達障害は改善する』という言論に繋がるのでしょうか?
発達障害は円滑なコミュニケーションが苦手
発達障害とは先天的な脳機能障害です。つまり生まれ持った脳の特性です。私は別に学者や医者ではありませんが、常識の範疇です。これを否定する人はさすがに居ないと思います。
発達障害には凸凹があるため、凸(得意なところ)は良いのですが凹(苦手なところ)は少々苦労します。端的に言えば社会性(人と人とのコミュニケーションなど)に対する苦手なことが多いです。
具体的には、以下のようなものが代表例で、感覚の凹か、逆に凸(過敏)が要因と考えられます。
- 人の表情を読み取るが苦手で無視をしているように見える
- 視覚優位で目に入ったものを追ってしまい周りの状況が見えなくなる不注意
- 体の力の入れ具合やバランス感覚をとらえることが苦手で起こる多動
コミュニケーションが苦手だから発達障害?因果逆転ですよそれ。
このような人とのコミュニケーションが困難になること自体は、何も発達障害だけ特有というものではありません。
健常者でも、寝不足のとき、栄養が足りていないとき、運動不足のとき、誰かとケンカしたとき、メンタルの不全に陥り、周りが見えなくなりますよね。人に気を使ってられなくなると思います。
このような時、脳は一時的な興奮状態だったり、機能が低下した状態だったりします。
このような状態に陥る状況の一つが、アレルギー、というわけです。
後述しますが、アレルギー反応が長引く遅延型アレルギーというものがあり、これが恒久的な脳機能低下に感じられている、というケースは想像に足ります。
発達障害の方は主にコミュニケーションが苦手な特性を持っていることが多い、ということはありますが、『コミュニケーションが苦手だから発達障害』とはなりません。因果が逆転することはあり得ません。
アレルギーはコミュニケーションに影響があるのか
健常者でもアレルギーが要因で社会性が低下することは考えられます。これに学術記事など不要で、当たり前の話です。アレルギーが起こると体のあらゆる調子が悪くなり、社会性云々に気を配ってられません。
アレルギーにはいくつか種類があるようです。食品を食べてすぐにアレルギー症状を起こす『即時型』がピンとくるとは思いますが、『遅延型フードアレルギー』と言って、数時間~数日単位で遅れてアレルギー症状が出ることがあります。そのため、アレルギーと気づかないまま、慢性的にアレルギー症状がでつつけている場合があるようです。
私自身は遅延型フードアレルギーの検査は行っていません。あまり不調が続く経験もないので。
が、原因不明だけど慢性的にイライラする、頭痛がする、吐き気がする、などの症状がある場合は検査した方がよいかも知れません。
アレルギー物質を除くと発達障害が緩和したという事例
実際にアレルギー物質を除くと発達障害が改善するんだ!と声を大きくしている方がおられるようですが…
いや、そりゃアレルギーの体質なんだから、アレルギー症状が緩和したことで脳が安定して、機能の不調が解消されているんでしょ、ってことです。改善しているというよりも、不調部分が解消されている、と言えます。
発達障害が改善したのではなく、アレルギー症状が緩和していると考えるのが自然です。
まとめ:アレルギー検査やアレルゲン物質の除去は有意義だが、発達障害の改善とは別モノと考える方がよい
アレルギー症状×発達障害の掛け合わせについては、それは大変苦労されていることだと思います。ご自身の場合も、それがお子さんであれば親御さんも。そしてアレルギーだと気づいていないケースもあり、とにかくカゼイン除去だのグルテン除去だのに取り組みたくなる気持ちはとても分かります。
呼吸器アレルギーと皮膚アレルギーについてはASD(自閉スペクトラム症)と相関があるようなデータがアメリカでは出ているようです。
しかし、アレルギーではないのに、それらを制限するとどうでしょうか。効率的な栄養補給ができないケースに繋がらないでしょうか。食べる楽しみを安易に奪うことにも繋がり、食事の場という楽しいコミュニケーション機会が、楽しくないものにもなるかも知れません。
(グルテンについて、個人的には食べる必要性はないと思ってはいますが、あえて避けるほどのモノでもないと思っています。またADHD(注意欠陥/多動性障害)にグルテン除去は多少は意味があるようです。アレルギーの話とは別なので割愛します。)
アレルギーの有無を調べることは、生活基盤を安定させるうえでも重要な意味をもち、全く否定しません。というか、可能であればぜひやってください。
私もそのうちやりたいとは思っていますが、、、ちょっと高額なんですよね。保険効かないので。ちなみに、『即時性』なら検査した経験があります。スギ・ヒノキ・埃でした。食品アレルギーはないようです。
また、大人になると体質変わりますので、数年に1回ぐらいは検査してみてもイイかもしれません。
ヒトは簡単に不調に陥ります。不調に陥るとコミュニケーションがうまく取れないことがあります。
発達障害の改善=脳機能改善に向けたアプローチを取り組むことも必要ですが、ベースとなる体調管理を優先しながら取り組んでいきたいと思います。
コメント